晩夏光(抄)
甲斐駒の孤高の尖り青胡桃
沙羅の花結界に白散りばむる
はんざきや老いても淡き夢をもち
初蟬のひと鳴きを聞く母郷かな
偕老の腰に下げたる蚊遣香
炎天や人影のなき漁師町
宵涼し白く浮きたつ天文台
播州や明石のあげし夏の月
星近し闇深めゆく鮎の宿
妹の忌や妹に供ふる一夜鮓
海峡へ子午線よぎる夏燕
夕爾忌の海の青さや晩夏光
晩夏光(抄)
甲斐駒の孤高の尖り青胡桃
沙羅の花結界に白散りばむる
はんざきや老いても淡き夢をもち
初蟬のひと鳴きを聞く母郷かな
偕老の腰に下げたる蚊遣香
炎天や人影のなき漁師町
宵涼し白く浮きたつ天文台
播州や明石のあげし夏の月
星近し闇深めゆく鮎の宿
妹の忌や妹に供ふる一夜鮓
海峡へ子午線よぎる夏燕
夕爾忌の海の青さや晩夏光