第21回(令和元年)春星賞 佐俣まさを

畑守の詩(抄)

剪定の脚立の軋みぶだう棚
梅散るや枯山水の砂の襞
淡雪や堆肥積み置く猫車
山里や日溜りに敷く花筵
桑解くや光となれる藁のしべ
峰越に光る霊峰田鋤馬
婦唱夫随てふ絆あり豆の飯
初蟬や雨垂れ光る堂庇
古池に映ゆる白雲若楓
秋風や藁屑を噴く脱穀機
田仕舞の煙ひと筋夕鴉
大黒の小槌追ふ獅子里神楽